【同期】と、一言で片付けてはいるが、私の立ち位置は少しだけ複雑だった。彼らのように就職活動を経た正社員ではなくただのアルバイトで、仕事は殆どが雑用ばかり。入った年は確かに同じかもしれないが、実際にそう呼ぶのは彼らだけだ。
年上だからと気を遣っているのか、ただ懐いているだけなのか。そもそも積み上げてきたものや仕事内容が全く違うのだから、普通なら同列にすら並べたくないだろうに。
(私、何かしたっけ)
どうして彼らがそう呼ぶのかは、未だによくわかっていない。だからか、私からしてみれば『同期同盟』と言われる方がしっくりとくるのだけれど。
「それで?」
「昔あった噂について話してた」
首を傾げる彼に噂を一通り話すと、今度は顔を顰めながら再び首を傾げられた。
「いつの話」
「私たちが学生の頃?」
「へえ。何? この辺じゃ有名なわけ」
「さあ。もうご、……十年以上も昔の話だし」
田舎から出てきたという彼にとって、その噂話はとても興味深いものだったらしい。
そういえば、彼がこれまで担当していた少年漫画は、現代社会を中心に巻き起こる空想的な物語が多かったかもしれない。となると、彼にとってもこの話も格好のネタか。



