青い青い空


「え。高校生? 青崎さん、攻撃範囲広すぎじゃないですか」

「どういう意味ですか?」

「いえ。敵は多そうだなと」

「よくわかりませんが、どうやら弟の同級生たちだったみたいで」


 会場近くまで戻ってきた私は、自販機で新堂に缶コーヒーを買いながら先程の会話の続きをすることにした。そうすることで、多少なり気が紛れると思って。


「んー正直こんなことを言うのはどうかと思うんですが、本当にそれ、弟さんの同級生だったんでしょうか」

「弟のことは知っていましたし、年齢も同じぐらいだと思いましたけど」

「でも、身分証見たわけじゃないんですよね?」

「それは……」

「脅迫のこともありますし、もしかすると青崎さんのストーカーということも有り得ます」

「まさか。彼らに限っては絶対に違いますよ」

「どうして言い切れるんですか」

「どうしてもです」


 むすっとした新堂は、頬を膨らませながらプイッとそっぽを向いた。その少し拗ねたような、かわいらしい様子に、いつもならクスッと小さく笑いでも漏らすところだ。でも、今は残念ながらそんな気分ではない。


 その違和感を彼も感じたようで、「青崎さん?」と不安げに名前を呼ばれた。


(……ああいう目を、私は知ってるから)


 不安げに揺れる瞳を。誰かに助けを求める瞳を。