青い青い空


 バシャリ、足下の水たまりが豪快に跳ねた。無意識の間に、そこへ足を突っ込んだらしい。


「え――ッ、青崎さん!!」


 あーあ、靴下までぐっしょり濡れてしまったと、不快に顔を歪めていた時。不意に聞こえた叫び声に、気付けば自分の体が、何かに弾き飛ばされたかのような勢いで後ろへと飛んでいた。

 そしてその直後、すぐ目の前を乗用車がクラクションと怒号を撒き散らしながら猛スピードで走り去っていく。


「何やってるんですか! 信号赤ですよ!」


 どうやら彼に腕を引いてもらったおかげで、事故に遭わずに済んだらしい。しかしそのせいで新堂は大雨の中、私を抱えたまま尻餅をついてしまった。


「ごっ、ごめんなさい新堂くん、大丈夫ですか?」

「それはこっちの台詞ですよーもおー」

「私は何とも。新堂くんのおかげで」

「ならよかったです。俺も何ともないですよ」


 あわや大事故のところに、「大丈夫だったか?」などと野次馬が近付いてくる。

 それに粗方返事をし終わると、「それじゃあそろそろ行きましょうか」と、新堂が傘を差し出しながら引っ張り起こしてくれた。


「青崎さん?」

「あ。……すみません。本当に、大丈夫だったかなと思って」

「大丈夫ですよ。残念ながらアイスキャンデーは落っことしちゃいましたけど」

「あ……」


 水たまりには、まだ半分残ってるそれが、どこか物悲しげに落ちていた。