青い青い空


 その肌色を裏切ることなく、運動神経は抜群。毎年行われる出版社対抗スポーツ大会には必ず駆り出され、毎年彼の大段幕が飾られているという。これだけでも十分モテるのに、こんな風に周りをよく見ることができるおかげで、男女問わず誰からも慕われる人気者だ。


「それで? 何話してたんだよ。あっ、……恋愛話はダメだぞ。寂しいお独り様同盟を、俺はまだ解散させたくない」


 聞いた覚えもなければ入った覚えもない。ついでにわざわざ小声で言う必要もないのだけれど。

 そんな、社では知らない人がいないほど有名人である彼の噂は、残念ながら他部署にもよく届いていた。


「はいはい。今度はどんな理由で?」

「お堅いんだと」

「あれ? まだそんなに広まってない系?」

「噂以上だったと」

「それはそれは、ご愁傷様でした」


 彼氏になった途端の『久賀野 遼』は、超が付くほどの糞真面目になるらしい。