血の滲む袖で、こぼれ落ちてくる涙を拭こうと顔を上げた時だった。窓硝子の向こう側にいる、一人の女の子の姿が目に映ったのは。 ――……あの子は、誰だ。 ただこの苦しみから解放されたかったはずの心に、一点の光が差し込む。 (あの子を、僕は知っているのか?) 途端に、胸が苦しくなる。 切なさに押し潰されそうになる。 堪えきれない涙が溢れてくる。 (……あの子を、僕は……) 一点の光が広がっていく。 心の闇が晴れていく。 口元に、笑みがこぼれる。