「それでそれで? 肝心の忘れ物って?」
「封筒」
「中身は? 【あなたが好きです】とか書いてあったり」
「見てないよ」
「どうしてとことん少女漫画的展開をへし折っていくんだあんたは」
「へし折るも何も、人のもの勝手に見たらアウトでしょうが」
それに、封筒は封筒でも玉付の封筒。中身が出ないよう紐で丁寧に括られていた。そんなものを、他人が勝手に見ていいわけがない。
「これだからこのくそ真面目は……」なんて頭を抱えている彼女は、どうやらネタに飢えているよう。この調子でいけば、近々飲みに誘われる確率は高そうだ。すみませんね、くそ真面目で。



