「それで、青崎さんはどの方とお付き合いされるんですか」
「んごほっ」
そんな爆弾が落とされたのは、ぺろりと平らげた彼が、アフターに焼きプリンを注文した後のことだった。
「な、何の話でしょうか」
「まさか野田さんですか。趣味悪いですね」
ころころと話を進めようとする彼に思わず待ったをかけた。ここはきっぱりと言っておかないと、後々掘り起こされたら面倒だ。
「あのですね、私は誰かとお付き合いをするつもりは」
「いいんじゃないですか。一人が選べないなら二人でも、三人でも」
「そんな不誠実なことしません」
「恋愛の仕方は人それぞれですよ。運命の糸同士で繋がれた人同士のこともあれば、その一番近くの人と結ばれることだってある。欲深い人は、その運命の数だけ掴んで離さないということも」
彼が語り始めた話の内容が突拍子もなく、そして似つかわしくないものだったので、何の話ですかと聞かずにはいられなかった。
「あなたの場合は九本。左手の小指以外に」
「え?」
「まるで虹のようですね。どこかで見たことがあるような」
「……それが、私の運命?」
てっきり、そういうものは赤色なのだろうと思っていた。けれど、彼は茶化さずに頷いた。美味しそうにプリンを食べながら。
彼にはそれが見えるから、人を占うこともできるのだろう。



