引っ込み思案な性格に人見知り、ネガティブな上に優柔不断。加えて承認欲求の塊である私にとって、自分を認めてもらえる、求めてもらえると、優越感を覚える。
それ以上に、尊敬している、認めている人を褒めてもらえることは、その何倍も幸せなことだった。
つまり何が言いたいかというと、心底尊敬している上司をそんな風に言われて、かなり腹が立っているということ。
睨み付けるような鋭い視線を受け目を瞠った彼は、一瞬真面目な顔をして深々と頭を下げた。
「すみません。軽率でした」
そして怒りはすぐさま消え去る。流石にカッとなりすぎた。
しかもタイミングよく開いた扉の向こうには、まだ何人かの社員が。慌てて頭を上げさせた。また変な噂が広まってしまっては、彼の迷惑になってしまう。
「一つだけ言い訳をさせてもらえるなら」
「何ですか?」
「完全に、八つ当たりだと」
「八つ当たり?」
どういうことだろうかと首を傾げていると、こちらの表情を窺いながら頭を上げた彼は、そのまま困ったような表情で「いえ。何でもありません」と首の裏に手をやるだけ。
(もしや、変な芝居をさせてしまったからでは)
割とノリノリに見えなくもなかったが、もしそうならこちらにも非がある。
思わず謝罪の言葉を口にすると、「いえ、いいんです」と受け取られた。やっぱりそういうことだった。



