青い青い空


 本当はぎゃあと叫びたかった。とても人には見せられもしなければ、触れることさえ以ての外な弛んだ体でしかなかったから。


「青崎さんお忘れですか。以前にお約束していたはずですが」

「……しましたっけ?」

「はい。埋め合わせは必ずすると」

(あ。もしかしてお礼のこと?)


 確かに、それについては未だにできずにいた。忘れていたわけではないが、連絡先を交換しているわけではない。このタイミングを逃せば、また互いにばたばたと忙しくして、ズルズルと先延ばしになるだろう。

 そういえばそうでしたねと言う私の表情を見て、一石もいろいろと察したのだろう。「何か訳がありそうだな」と一人呟いていた。


「そうですね。そんなところです」

「う、右京さん?」


 察した一石相手に、もう変な演技する必要もなければ、無駄に喧嘩を売らなくていいのだが。


「そうか。じゃあ、今夜のことは見なかったことにしておくよ」

「え。あ、あの一石さん」


 違いますよね? 何となく察したんですよね?

 あの、勘違いだったら大変図々しいんですが。全然、その。何の疚しい関係でもないんで。ただお礼させてもらうだけなので……!