堪らなくなって、寝ているのをいいことに思い切り吐き出した。
一体どういうつもりですかと。人の処分を言い渡さないまま仕事を内勤に絞った挙げ句、人の仕事を奪っていくのは楽しいんですかと。
酷い顔色になってまで、そんなに仕事が好きなんですか。やつれてまで、隈ができてまでやりたかったんですかと。
“――俺が絶対。絶対君を、守ってみせるから”
責任を、感じているとでも? これで約束を守っているつもりだと?
そんなこと、誰が頼んだんですか。
あなたは、仕事を辞めた理由を聞かなかった。社会人になるといろいろあるからねと、それだけを言ってくれた。それが心底有り難かった。
その理由を聞かないまま、何も知らないままでずっと過保護に守ってくれたから、今もこうして辞めずに仕事ができている。それは本当に感謝してる。
「でも、もう守ってもらわなくても大丈夫です。私、もう一度頑張るって決めたので」
ゆっくりと深呼吸をして、暴れていた感情を宥めながら、そっと吐露する。
「話すタイミングも、一石さんに合わせますから。私、ずっと待ってますから」
だから、お願いだからこれ以上、無理しないで。あなたの体を、一番大切にして。
元気印のあなたは知らないでしょう? 存外人って、呆気ないものなんですよ。
「こんなに仕事、持って行ってくれてたなんて……」
仕事人間のあなたは知らないでしょう。青崎伊代が、存外ちょろい人間だってこと。
「……もう。流石にやり過ぎですよ一石さん。こんなことして、ちょろ崎に惚れられたらどうするんですか」
胸の中に広がる切なさに苦笑を浮かべる。
クシャリと、持っていた資料がシワになった。



