青い青い空


〈無理してないか?〉

《今日は日曜日ですよ^^
 一石さんこそ無理してませんか?》

(気付いてないと思ってんのかよ)


 また逃げられるのを恐れているのか。二度目がないまま、都合よく今度は彼女の方が距離を取り始めた。


 逃げたのは自分から。今もまだ逃げ続けている。

 自業自得でただの我が侭。完全に自分の都合で振り回しているだけ。それでも彼女にわかって欲しくて、気遣える上司の振りをし続ける。


(はっ。情けね)


 大事なことは言わないまま、部下のご機嫌取りしてる奴なんかに。


〈お前も休日返上して出勤してないかの確認
 アラフォーの底力舐めんな(・ω・)?〉

《それでも無理は禁物ですよ
 もう若くないんですから(笑)》 

〈うるせえ(・∀・)ハハ〉


 誰が、本音を話せる――――。



「あいつは、俺には言いません」


 ただの上司と部下という関係を、彼女は絶対に壊そうとしないから。


 はっきり言い切ると、「そこまで卑屈にならなくてもいいだろうに」と、彼はただただ苦笑を浮かべた。


「ま、読むだけ読んでみなよ。それだけで君なら、その理由がわかるかもしれないし」


「それはそれでひとまず置いておくことにして」と。笑顔で切り替えると、距離を詰めた彼は肩にぽんと手を置いて、そっと耳打ちしてくる。


「それで、いつまでそうやってるつもり」

「何がですか」

「そうやってとぼけて、何も知らない振りをし続けるのかってこと」