青い青い空


 何をかと問えば、「参ったな。これだから放っておけないんだよ」と、彼は苦笑に堪えきれない喜びを滲ませた。


「共犯。だから、僕も同罪」

「どういうことですか」

「困っている彼女に知恵と手段を貸した。悩んでいる彼女の背中も存分に押した」

「一緒に作者のところまで行ったと」

「思っていた以上に楽しかったよ。ちょっとした旅行みたいで。半日ずっと車の中で二人きりだったし」


 変えない表情と態度に、けしかけた彼は「面白くなーい」と口を尖らせる。


「ということは、青崎は無関係の人に投稿小説を読ませたと」

「全く無関係というわけではないだろう。いずれ僕は、あれを読むはずだったからね」

「……どういうことですか」

「秋の文芸コンテスト。審査員の仕事、引き受けてあげてもいいよってこと」


 あれだけ頼み込んでも頑なに首を縦に振らなかった男が、何故今になってその気になったというのか。


「ありがとうございます。素直には喜べそうにありませんが」

「どういたしまして。その代わり」