彼女の願い事を叶える――その足掛かりになればいいと、僕はとある提案を持ちかけた。 「勿論、無理にとは言わないけど」 「あなたの故郷に行って、何か変わる?」 「全部が変わるわけじゃない。でも、見え方なら絶対に変わる」 「すごい自信だね」 「好きなんだ」 「っ、え?」 「空の青さも、雲の白さも、木々の緑も、田舎の空気も。全部綺麗だよ。きっと君も好きになる」 「……そっか」 彼女は、少しだけ泣きそうな顔をして笑った。 僕も、その笑顔につられて笑った。