了安も会社に入ると言って聞かなかったため、朝一番で守衛の方に許可を取りに行く。手続きを済ます頃には、エントランスに人が群がっていた。
ついつい忘れがちだが、了安彗星という人は、今最も売れているミステリー作家である。
「ああそうだ。青崎さん、文芸部署でしたよね。お荷物ですよ」
そう言って渡された封筒。その差出人は、『小藪 翠玲-suireI koyabU-』。
「……ありがとうございます。確かにお預かりしました」
受け取ったその瞬間から、もうわかっていた。
この封筒の中に入っているのもきっと、【青い青い空】だろうと。



