「ばあちゃん覚えてる? 昔よく話してくれた虹の話」
『馬鹿者。あれはただの虹やねえが』
「わかってる。だから、探しに行ってくるんだ」
もう一度、彼女に会うために。会うためだけに。
『祖母不孝もんめ』
「うん。……ごめん」
情けない声に、電話口では笑い声が響く。
『あんたが都会の高校さ行っとった時、かわいい子連れてきたが。丈夫なねんね産みそなけつべたの』
「孫の友達のどこ見てんだよ……」
まさか祖母が、彼女の尻ばかり見ていたとは。六年経って知るとは思わなかった。
『惚れとんやろ』
「っ、え?」
『しな~っとしとってもばれとるが』
「……おえ~」
『好きなんやろ。あの時も、今も。これからもや』
「……ほや」
だから、行くんだ。
決めたんだ。虹を探しに行くんだって。



