気付けば僕は、盛大に噴き出していた。
「何のために廊下に立たされてると思ってんだよ」
「だって、そもそもの発端は私が原因だし」
「自分から進んで廊下に出てくることないだろうに」
「いいじゃん。一緒に仲良く怒られようよ」
「仲良くは勘弁」
「恥ずかしがり屋? それとも照れ屋?」
「っ、誰が」
「君が」
「お前ら何を廊下でぺちゃくちゃ喋っとるか!」
「「すみませーん」」
全く反省の色のない僕たちに、担任は暫くの間放課後の教室掃除を命じた。それでも、あまり効果はなかったが。
「どうしてくれるんだ。僕の読書の時間が君のせいでまた潰れたんだけど」
「本、貸してくれてありがとう」
「あのさ、僕と会話する気があるのか?」
「興味はあるんだけど、私すごく読むのが遅くて。その、想像力が欠如しているというか……」
今更になって申し訳なさそうに本を抱える彼女に、思わず目を丸くする。あれだけ図々しく無遠慮に声を掛けてきた彼女にも、意外な一面があったのだなと。
「別に返さなくていい。それは僕なりの詫びだから」
すると彼女は驚きに目を瞠った後、嬉しそうに顔を綻ばせた。
その後もずっと二人で喋り続けていたから担任にはこっぴどく怒られたけれど、その日を境にクラスの嫌がらせもすっかりなくなったのだった。
【AOI BRUE SKY 3】



