「んー熱はない、か」
「……へっ」
「少し顔色が悪い気がしたけど……あ、もしかして照れた?」
怒りが込み上げたのは言うまでもない。
「怒んないで。もしかしたら体調が悪いの、無理してるんじゃないかなって思っただけだから」
ゆっくり、解れるように前髪が離れていく。同時に、緊張と彼の表情も解れた。
「何か、あった?」
「…………」
「言いたくなかったら言わなくていい。ま、僕たちの仲なんだから、話して欲しいとは思うけどね」
「……すみ。ま、せ……」
少し涙声になる私に、「どうして謝るの」と、少し困った表情で彼は笑う。
自分でも、どうして泣きそうになっているのかわからなかった。



