「よければどうぞ」
野田のものが届く前に、右京が気を遣って新堂にタオルを差し出してくれた。おかげで彼の汗も、すぐに収まることだろう。
「ありがとうございます、右京さん」
「いえ」
「うきょう……?」
「何か?」
「何でもないですっ」と引ったくるように彼のタオルを首に掛けた新堂は、今度こそ扉の修理に取り掛かっていったのだけど。
どうして彼がむすっとしているのか。残念ながら、さっさと書類の作成に取り掛かった私にはわからなかった。
「読み上げてください。さっさとパソコン空けてくれないとこっちも困るので」
「え。けれど」
「僕、無駄な時間が一番嫌いなんです」
「す、すみませんっ」
深々と頭を下げ、右京にも手伝ってもらったおかげで、書類は無事完成したのだった。



