もう一回言って

・・・。
ね、寝れない…。
寝れるわけがない。涼ちゃんが女の人の、先輩の家に泊まって寝ているなんて考えたら全く眠くならない。
一旦水飲んで落ち着こう…。
台所に行って空のガラスコップに水をくむ。
ゴクゴクゴク…
考え事してると喉乾いちゃうんだよなぁ…。
「バカ涼ちゃん…」
人の気も知らないで女の人の家に泊まるなんて。
…。
嘘。涼ちゃんは悪くない。
私が自分の気持ちに気づかずに長い時間涼ちゃんに返事待たせて、やっと自分の気持ちに気づけたと思ったら先輩にキスされて、涼ちゃんに愛想尽かされて……。
全部全部、私が優柔不断でバカだから悪いんだ。
人のせいにして泣いて、苦しくて…自業自得じゃん。何勝手に私は悲しんでんの!
ガチャ キィィ
玄関扉のノブを回してゆっくりと開ける音。
ど、泥棒!?
どうしよう…今パジャマ姿で丸腰だ!涼ちゃんもいない!!
台所の包丁を持つ?いや‥取っ組み合いになった時に奪われたら怖いしやめとこう…。
トン、トン、トン
廊下を歩く足音がどんどん近づいてくる。
あぁ、もう終わりだ…。人生短かったな…。
しゃがみこんで頭を守るように抱える。
「お願いだから殺さないで……」
「はぁ?何の話だ」
え…っ。
低くて優しくて…冷たいけど温かいこの声…涼ちゃんそっくりだ。