もう一回言って

「しない、かも…」
そう考えたら涼ちゃんへの気持ちもあやふやになってきた。
自分のことなのに自分で考えられないなんてよっぽどだな、私。
旭先輩のことは好きなはずなのに、昨日から涼ちゃんのことしか考えられなくなっている。
これはまずい。
「じゃあ、今三谷先輩に付き合って。って言われたら?」
「……。断ると思う」
「それはなんで?」
「涼ちゃんとのことあるし…自信ない」
「黒崎君じゃなかったら意識もしないし三谷先輩を好きな気持ちもそのまま、か。答え出てるくない?」
眉を八の字に曲げ、私の目を真っ直ぐ黒く綺麗な瞳で見つめてくる。
分かってる。自分でも…今、気が付いた。
だけど、それと同時に自分がすごく嫌になった。
つい最近までは旭先輩好きーみたいな感じだったのに、涼ちゃんに告白された瞬間乗り換えるなんて、軽い女だって涼ちゃんに軽蔑されるかもしれない。
せっかく自分の気持ちに気づいたのに嫌われたくない。
「放課後、空いてる?」
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彩が提案してくれた。
行きたいのはやまやまだけど…。
「ごめん!今日図書委員なんだ。ホントにごめんね」
水曜日は部活あるし、放課後はしばらく彩と話せそうにないということを伝えると、「素直にならないと黒崎君も別の女の子に夢中になっちゃうかもよ?」と言われた後、「頑張って」と応援してもらった。
こんなにも優しい親友をもって私は幸せ者だな~。
うん。これで図書委員の時間も頑張れるはず!で、帰ったら涼ちゃんに想いを伝え…られるかな。
もし「は?もう俺に乗り換えんの?軽すぎ。引いたわ」なんて言われたら立ち直れない。
私なりに、彩にアドバイスをもらってよくよく考えた結果がこれだから、それ以上は出せないけど。
旭先輩への気持ちももうないし、これから再度好きになることはない。
一途…ううん、結構な寄り道をしていた私だけど、本当に涼ちゃん一筋だから…告白してそれが伝わるといいな。