もう一回言って

「やっと、人がいなくなった…」
「よくわかんないけどお疲れ様、涼ちゃん」
背伸びしてようやく届く涼ちゃんの頭を優しくなでる。
「…。はちまき」
「ああ。交換?はいっ」
「俺の取って。未桜がつけて」
「なんで」
いつもより声が甘…。
「疲れた。だるい。リレーに全力出せない」
私がはちまきを涼ちゃんの頭につけたところで疲れ取れないと思うけど?
でも、リレーに全力を出さずに勝つのも負けるのも悔しい。
「今回だけだからね」
私ってば、幼馴染のはちまきを取って付け替えるだけでなんでこんなにドキドキしてるの!
大丈夫、大丈夫…。
えっと…これを取って、私のをつける…どこにつけたらいいんだろ?ま、どこでもいっか…?
結び方どうやるんだっけ?焦るとわかんなくなっちゃう…。
「できたよ!これでいい?」
「おう。ありがとな」
歯を見せて笑ってくれた。
…よしとするか。
《続いては、男女別リレーです。選手の方は―》
あ、私が出る種目だ!もうこんなに時間経ってたんだ…。
「ごめん、涼ちゃん。私行かなきゃ!」
「おー、頑張って来いよ」
「うん!」
ひらひらと手を振ってくれる涼ちゃんに手を振かえし、アンカーが走る場所に構える。
同じアンカーなのは…涼ちゃんと同じクラスの島松里乃さんだ。
確か陸上部だった気がする。手強すぎる…。