もう一回言って

ジーン…。涼ちゃん、私が怒られないために…?
なんて優しい幼馴染なんだろう…。
まあもしかしたら涼ちゃんもこのまま走って行っても遅刻することが分かってたから自分の家から自転車持ってきて、その道中に私がいたからついでに乗せてくれるのかもしれないけど…。
「ありがとぉー!」
ダッシュで涼ちゃんの元まで行き、後ろに飛び乗って腰に抱き着く。
私はヘルメットしてないからね、危ないから涼ちゃんの後ろに捕まってなくちゃ!と思って抱き着いたんだけど、涼ちゃんに「マジで腰はやめろ…。まだ肩のほうがマシ」と言われてしまった…。
仕方なく肩を掴んだら何も言わないで出発してくれたんだけど…やっぱり悲しい。
だって、涼ちゃんに断られたり拒否されるのは滅多になかったから。いつもあーだこーだ言うけど結局は私の言うことを実現させてくれて、本当に優しい。
どういう心境の変化なんだろ…?私は涼ちゃんが変わるの、怖いな…。
でも涼ちゃんが決めたことなら応援しないわけにはいかないし…!
うーん、と一人で頭の中で葛藤をしていると、あっという間に学校に着いてしまった。
「降りろ」
「あ。うん。ありがとね、涼ちゃん。今度私がご飯作るねっ」
「…いや、それだけはいい」
「えぇ…」
なんでよ。と思いつつ、自分が料理が苦手なことを思い出す。
そういえば前の休日、涼ちゃんが遅起きした時に朝ご飯作って待ってたら、盛大に焦がしちゃったんだった…。
私ってホントダメだな。思い返しても人に迷惑かけてばっかりで…。
「未桜?」
「わ!!あ、彩!?」
いつの間にか涼ちゃんは私の前にはいなく、彩が眉をひそめて私を見ていた。
「驚きすぎでしょ…。てか、さっきからずっとため息ついて。あれ、未桜好きじゃないっけ?」
「”あれ”?」
「忘れたの!?体育祭だよ、体育祭!」
「あ…」