もう一回言って

「み…「未桜はそのままでもいいだろ」
俺が言おうとした言葉を、そっくりそのまま黒崎が言った。
なんでこうも被るんだろうな。
「よくないよ!私、頭も悪いし、料理もできないし…。運動系は得意だけど、将来の役に立つかわからないし」
「それでも、未桜はそのままでいい。俺が養う」
「えぇー。ホントに?将来、すっごく可愛くて大切な彼女やお嫁さんがいても?養ってくれるの~?」
「当たり前だろ。それに、未桜と家族以外に俺の手料理出すつもり全くない」
多分未桜が冗談半分で言ったことに超真剣に返す黒崎に未桜も照れたように頭をかいた。
「アハハ…ありがと。嬉しいな」
その笑顔も全部、俺に向けられてればいいのに。
俺だけだったらいいのにな‥。
「ほら、夕飯食べ終わったし片付けしたら寝るぞ」
黒崎は俺の方には一切目を向けずに立ち上がると、台所に行って自分の皿を洗い始めた。
「俺もやるよ。洗い物」
「それなら未桜に…」
「未桜は布団の用意していてほしいな」
「わかりました!」
役割をもらえたことが相当嬉しかったのか、俺が言った瞬間階段を駆け上がって行った。
「んだよ。わざわざ邪魔しやがって」
「別にいいだろ。ずっと避けるつもりか、俺を」
「未桜に近づけさせてないだけだ」
「夕飯作りもほぼ二人きりだったじゃん」
「お前らを二人きりにさせておくのが危険なんだよ」
「ただの嫉妬にしか思えないけど」
皿たちを洗う手を止めずに言い合う。
顔が整ってるやつに睨まれるとどうも落ち着かない。
「あ。そういや部屋二つしかないから、俺と未桜が同じ部屋で寝る」
「はっ?なんで部屋が二つなわけ!?」