想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 結婚以降、ただでさえ社内で注目されることが増えたのだ。

 休日のショッピングくらい、誰の視線も気にせずのびのび楽しみたい。

 私の希望を汲んでくれて、家から少し離れた郊外のショッピングモールに連れてもらえることになった。

「まず何を見たい?」
「お鍋とかフライパンとか見たいです。あとお皿とか」

 モール内の地図が見れるパネルの前で、視線はショップまでの経路を追いながら凱斗さんと話す。

「うちにある分じゃ足りなかった?」
「足りるとは思うんですけど、もう少し大きいサイズの物が欲しいなって思って」
「蒼羽って料理するんだ」
「私は自炊派です。凱斗さんは?」

 体が資本のこの仕事。私は自炊した方が、体調のコントロールがしやすい。

「少しはできるけど、買ったり外食が多いな」

 飲食店でのアルバイト経験もあるらしく、ひと通りの料理はできるけれど、仕事にかまけて、デリバリーで済ませたり外食することが多いそうだ。

「栄養のあるもの食べてるし、ちゃんと鍛えてるからいいんだ」
「若いうちはいいかもしれないけれど、そのうち体に響くようになりますよ」