想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 来月最初のオフの日には、青柳さんのご実家に行くことも決まっている。

 それがすんだら福岡の私の実家を訪問、両家への報告が済んだ時点で、会社へは正式に報告することになっている。


「ご実家にはもう報告したんでしょ? お母さんの反応はどうだったの?」
「まあ最初は驚いてたけど」

 恋愛のれの字もなく仕事ばかりしていると思っていた娘から、突然結婚の報告を受けたのだ。

 最初は「それって本当の話?」なんて疑われたりもしたけれど、青柳さんが電話を代わってくれて『挨拶に行きたい』と告げると、ようやく信じてくれた。

 青柳さんの職業を聞いてさらに驚いていたけれど、最後には、『会えるのを楽しみししている』と言ってくれたらしい。

 父も母も、たぶん喜んでくれているのだと思う。


 両親、麻衣、周囲の人達に結婚のことを話すごとに、一つずつ嘘が増え、積み重なっていく。

 そのことに後ろめたさを感じないわけじゃない。


 でも、青柳さんと結婚すると決めたのは私。

 この罪悪感にも慣れていかなくてはならない。