想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 ドラマや映画で活躍している若手女優とつき合っていたとか、海外でも活躍しているモデルに見初められて、青柳さんのことをステイ先まで追いかけてきただとか、彼の女性関係に関する噂は絶えない。

 まあどれも、出所不詳で、あくまで噂の域を出ないものばかりなのだけれど。


 再び上がって来たエレベーターに、麻衣と乗り込む。

「青柳さんって社内でも出世株だし、顔もスタイルもいいけど、あの性格はちょっとね」

 会社を出た後も、麻衣の話は続く。

 私は、青柳さんと仕事で一緒になったことはないし、彼のことを直接知っているわけでもない。

 でも、青柳さんが女性に対して冷たく接しているところは何度か目にしたことがある。

 正直に言うと、私も彼のことは苦手だ。

 彼の女性への冷たい態度を見かけるたび、自分がされたわけでもないのに、胃がきゅっと縮むような気がする。


 でも、少し同情もしている。

「あんなにしょっちゅう告白されたり、勝手な噂を立てられてばかりいたら、嫌になっても仕方がないのかも……」

「そうかなぁ。モテるからって調子に乗ってるんじゃないの?」


 一方、麻衣の青柳さん評は辛口だ。