想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

「だって、シカゴフライトの時は、いい雰囲気だったんだろ? 二ヶ月も経てば、さすがに進展してるかと思ったのに」

「進展ってなんだ。前にも言ったが、三崎さんはそんなんじゃないよ」

 フライト中、ギャレーで恋バナに花を咲かせているCAを見かけることがあるが、こいつもたいがい恋愛脳だな。

 そして新庄がこっち方面の話を振って来る時は、自分のことを話したい時だ。
 十年以上ものつき合いとなれば、それくらいわかる。

「それで、お前はどうなんだよ」
「あっ、聞いてくれる? 青柳がもたもたしてる二ヶ月の間に、とうとう俺はOKもらって、初デートを済ませました!」
「いちいち俺を引き合いに出すな。でもよかったな。おめでとう」

 そこからは、さんざん新庄にのろけられた。新庄のお相手は、CAではなく地上職らしい。
 名前や所属を教えてもらったが、俺は会ったことのない女性だった。

「おまえもさ、片っ端から断ってないでたまにはデートくらいしろよ。恋人がいると、仕事ばっかりの無味乾燥な生活が嘘みたいに潤うぞ」

「俺は今はそういうのはいいんだよ」

「おまえのそういう姿勢はすごく立派だと思うけどさ」