想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

【で、まんまと恋に落ちたわけだ】
【ふざけるな。誰もそんなことは言ってない】

 次回の審査会の件で確認したいことがあると、ホノルルステイ中の新庄からメッセージが来た。

 話のついでに、今回のクルーに三崎さんがいたことや、フライト中のできごとを教えると、そんな返事が来た。

 どうにかして、俺が三崎さんに気があるということにしたいらしい。


【俺のことより、お前のほうはどうなんだ】

 腹いせに、新庄に話の矛先を向ける。つい最近、社内に気になる子がいる、と言っていたのだ。

【どうって言われても。なんの進展もなし】

 なんとも寂しい限りだ。

【俺のことはいいから、お前こそ頑張れ】と送ると、怒った豚のスタンプが送られて来た。

 逆ギレか。相変らず面白いやつだ。


 スマホを枕の横に投げ、ベッドに横になる。

 脳裏に、ふと三崎さんの不意打ちの笑顔がよみがえる。

 ふっと心に灯がともるような、優しい笑顔だった。

 あの笑顔を見れたのは、ちょっとよかったな……。

 目を閉じると、体がとけてなくなるようなまどろみが訪れる。

 なんだか今夜はいい夢が見られそうな気がした。