想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 何百人もの命を預かるという重責、親子ほど歳の離れたキャプテンとの時には圧を感じるやりとり。

 そのすべてからようやく解放されたというのに。

「この後お時間ありますか? よかったら、私とお食事にでも行きません?」

 目前には、瞳を潤ませ自分を見上げるCAの姿。

 またか。勘弁してくれ。

 俺は内心うんざりしながら、無表情で聞いていた。


 他人に不快感を与えない清潔感がありつつ品もあり、立ち居振る舞いも佇まいも美しい。男女ともに、いまだに憧れの職業である航空会社の客室乗務員。

 彼女からの告白は、一般的な男性からしたらおそらく嬉しいものなのだろう。