想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 笑いながら返事をすると、青柳さんもぷっとふき出す。

「それは失礼。はい、どうぞ」
「ありがとうございます……!」

 嬉しい。この一日の終わりに、こんなに素敵なプレゼントをもらえるなんて思ってもなかった。

「大事にします」

 画集を胸に抱いて言うと、青柳さんは満足そうに笑った。


 美術館を出ると、まだ外は明るかった。

「蓮見さん、結局来なかったな」

 青柳さんと合流した後、渋滞はなんとか抜けられたと言っていた。タクシーの運転手さんとひと悶着あったらしく、疲れ切ってしまったらしい。

 「申し訳ないんだけど、このままホテルに戻って少し休むことにするわ。復活したら合流するかも」と連絡があってそれっきりだったのだ。

「ホテルでゆっくりされたんでしょうね。体調を崩されてないといいんですけど」

 あさってにはまたフライトを控えているのだから、体力を温存したいという気持ちもあったのだろう。

 同じCAとしては、十分理解できる。

「この後はどうする?」
「そうですね……」

 なんとなく宿泊しているホテルの方向へと歩きながら、青柳さんと話す。