想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 これから乗務するのは、ロサンゼルス発羽田行きAJ018便。日本への折り返し便だ。

 今日はエコノミークラスの客室責任者として乗務する。

 ロサンゼルス国際空港を離陸し、ベルトチェックのサインが消えると、すぐにドリンクサービスに入る。
 
 今日の便はほぼ満席。ブリーフィングでキャプテンから、離陸後わりと短時間で気流の乱れによる揺れが予想されると言われている。 

 その地点に到着するまでに、ドリンクサービスを終わらせなくてはならない。


 よし、頑張ろう!


 心の中で気合を入れ、パートナーの後輩CAと視線を合わせてうなずき合う。軽く深呼吸をして笑顔を作ると、私は重たいカートを押してお客様の前へと踏み出した。

 
 AJ018便は、十分遅れで東京国際空港に到着した。
 
 シップを降りて空港内のオフィスに向かう。デブリーフィングを終え、今日の業務は無事終了。

 着替えのため更衣室へ向かうと、偶然、同期の岩永(いわなが)麻衣(まい)と出くわした。


「蒼羽、久しぶり! どこ行ってきたの?」
「私はロス。麻衣は?」

 同期や知り合いと顔を合わせ、真っ先にお互いの乗務先を訪ねるのは、CA独特の挨拶のようなものだ。