想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 テーブルの上のタブレットには、近い将来AJAでも導入予定とされている新機種の情報が映し出されていた。

 パイロットは一度国家資格に合格すればOKというわけではない。

 数か月に一度、操縦技術の審査があるし、機種ごとにライセンスを取得しなければ、飛行機に乗務することができない。

 私たちCAもそうだけれど、厳しい試験を突破してパイロットになった後も、ずっと勉強は続けなければならないのだ。

「いや、待ち合わせまでの時間つぶしだ。気にしなくていい」

 タブレットを片付けながら、青柳さんが言う。


「どうした、座らないのか?」
「……座ってもいいんですか?」
「もちろん」

 なんでそんなことを言うんだとでも言いたげな顔で、青柳さんが頷く。少し迷ったけれど、彼の向かいの席に恐る恐る腰を下ろした。

「ステイ中とはいえ、貴重なオフの日に申し訳ありません。私なら一人で大丈夫ですので、どうぞ青柳さんはお好きなことをなさってください」