想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

「あなたが仕事に真剣に取り組んでいることは、私も評価しているわ。でもそれだけじゃ、人生は豊かにならないと思うの。もっと色んなことに興味を持って、たくさん経験して、より素敵な女性になって欲しいって常々思ってた」

「蓮見さん……」

 そんなふうに、私のことを心配してくれていたなんて。憧れの人から言ってもらえて、感激で胸がいっぱいになる。


「無事パーサーに昇格したんだし、もう少し行動範囲を広げてもいいんじゃない? 三崎さん、今回のステイ中に何か予定はある?」

「いえ、特には。新しいレストランでも開拓して、お客様に情報を提供できればいいなと……」

「ほら、やっぱり思考が仕事から離れていないじゃない。そうだ、三崎さんって芸術とか興味ある? シカゴ美術館に行ってみない? 私が案内するわ」

「美術館ですか」

 これまであまり芸術に触れる機会はなかったけれど、行ってみたい気もする。

「私、全く詳しくなくて。綺麗なものや美しいものを見るのは好きって程度ですけど、大丈夫ですか?」