想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

「もちろん。一緒に乗務できる日を楽しみにしていますね」

 あの時の蓮見さんの優しい微笑みを、私は一生忘れないだろう。

 決めた。私は絶対にAJAのCAになる。
 
 そのための第一歩として、絶対に大学に合格する。

 いつの間にか緊張は解け、やる気でみなぎっていた。


 蓮見さんからパワーをもらい、私は見事第一志望の大学に合格した。

 もらったキーホルダーは、そのまま就職活動時のお守りとして、肌身離さず持っていた。

 蓮見さんのような素敵なCAになる。それが私の目標となり、就職活動も頑張った。

 今こうして私がAJAのCAとして働くことができているのは、蓮見さんのおかげだ。


 蓮見さんとは、入社後のトレーニング期間に新人CAと教官として再会した。

 蓮見さんも私のことを覚えていてくださって、無事CAとして乗務できるようになってからは、時折食事に誘っていただいている。


 現在蓮見さんは、客室部門の管理職として地上勤務をしている。

 しかし、乗務員資格を維持するために半年に一度はフライトする決まりになっている。

 蓮見さんの半年に一度のフライトにご一緒できるなんて、こんなに幸運なことはない。

 嬉しくて、自然と表情も明るくなる。