想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 ブリーフィングが終わり、キャプテンと青柳さんはコックピットへ。

 私たちCAは座席の上のコンパートメントを開けつつ、持ち場へ向かう。


 今日の私は、成田発シカゴ行きAJ119便のビジネスクラスの責任者として乗務する。


「一緒に乗務するのは二年ぶりくらいかしら? 今日はよろしくね、三崎さん」

「蓮見さんとご一緒できて心強いです。こちらこそよろしくお願いします!」

 一緒にビジネスクラスを担当する蓮見(はすみ)理加(りか)さんは、私がAJAを受けるきっかけとなった人。

 私の憧れのCAだ。


 蓮見さんとの出会いは、私が高校三年生の時。CAを目指して東京の大学を受験するために利用したAJAの飛行機の中だった。

 私が予約したのは、CAが座るジャンプシートの向かいの席。

 実際に働くCAの姿を間近で見て、受験へのモチベーションを高めようと思ったのだ。