名前を呼ばれて振り返る。
ライトアップされていない、建物側の方に見える黒い影。
「凱斗さん!」
姿を見るなり、飛び込んだ。広い胸に受け止められる。
「あ、蒼羽?」
戸惑うような声が聞こえたけれど、構わなかった。
体中が凱斗さんの香りで満たされる。
帰って来てくれた。私はもう、それだけで。
「よかった、無事で」
「……心配かけてごめん」
私を受け止めた時のまま、背中のあたりにゆるく回されていた腕が、ギュッと私を抱きしめる。
「本当によかった。凱斗さんにもしものことがあったら、私……」
涙が溢れて、言葉にならない。凱斗さんの体温を感じて、ようやく安心することができた。
「蒼羽」
凱斗さんが、優しい声で私を呼ぶ。
今顔を上げたら、きっと涙でボロボロだ。
それでも、私も凱斗さんの顔が見たくてゆっくりと顔を上げた。
止まらない涙を、凱斗さんの指が優しく拭う。
「泣かないで蒼羽。君に泣かれたら困る……」
何かに気持ちを揺さぶられることなんてほとんどない凱斗さんが、本当に困った顔をしている。
「ごめんなさい。安心して気が抜けてしまって……」
「蒼羽……」
ライトアップされていない、建物側の方に見える黒い影。
「凱斗さん!」
姿を見るなり、飛び込んだ。広い胸に受け止められる。
「あ、蒼羽?」
戸惑うような声が聞こえたけれど、構わなかった。
体中が凱斗さんの香りで満たされる。
帰って来てくれた。私はもう、それだけで。
「よかった、無事で」
「……心配かけてごめん」
私を受け止めた時のまま、背中のあたりにゆるく回されていた腕が、ギュッと私を抱きしめる。
「本当によかった。凱斗さんにもしものことがあったら、私……」
涙が溢れて、言葉にならない。凱斗さんの体温を感じて、ようやく安心することができた。
「蒼羽」
凱斗さんが、優しい声で私を呼ぶ。
今顔を上げたら、きっと涙でボロボロだ。
それでも、私も凱斗さんの顔が見たくてゆっくりと顔を上げた。
止まらない涙を、凱斗さんの指が優しく拭う。
「泣かないで蒼羽。君に泣かれたら困る……」
何かに気持ちを揺さぶられることなんてほとんどない凱斗さんが、本当に困った顔をしている。
「ごめんなさい。安心して気が抜けてしまって……」
「蒼羽……」


