想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

【土日が難しいなら来月の祝日はどう? その時帰って来れない?】

【いい人なのよ。蒼羽とはちょっとだけ年が離れてるけど、真面目そうないい人よ】

【高橋さんの紹介でね、学校の先生なんだって。素敵でしょ?】

【ちょっと、既読無視しないで早く返事してよ! お母さんも忙しいんだから!】


 返事するもなにも、母の勢いに圧倒されてそれどころじゃない。

 麻衣にもメッセージの内容が見えたのだろう。スマホを手に慌てる私を見て、麻衣は苦笑いをこぼす。

「相変わらずね、蒼羽のお母さん」
「まあね」

 母に比べたら、麻衣の言うことなんて可愛い方だ。


 【今移動中だから、また後で電話する】とだけ返信して、スマホをコートのポケットに突っ込んだ。

 しばらく通知音がしていたけれど、もう放っておいた。


「それで、蒼羽お見合いするの?」

「まさか! 言ったでしょ。今は仕事が恋人なの。……それに、結婚はちゃんと自分が好きになってつきあった人としたいし」

「かっわいい。蒼羽って見た目はできる女風なのに初心だよね~」