想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 面と向かって謝られて、焦ってしまう。

 悪天候も欠航も凱斗さんのせいじゃない。

「謝らないでください。私、気にしてませんよ?」
「俺が気にするよ。よかったら、仕切り直ししたいんだ」
「仕切り直し?」

 誕生日なんて毎年来るんだし、そんなに気にしなくてもいいのに。

「仕事終わりで疲れてるかな? 君さえよければ、夕食は外で食べないか」

 会えない間、ずっと気に病んでいたのだろう。仕事も審査もあって大変だったのに、余計なことに気を遣わせて申し訳なくなる。

 私も疲れていないわけじゃなかったけれど、凱斗さんに誕生日のことをこれ以上引きずってほしくなかった。

「嬉しい。行きたいです」
「よかった。車出すから着替えておいで」

 どこへ行くのかと尋ねてみると、誕生日当日に連れて行くはずだったレストランは予約が取れず、急遽凱斗さんの知り合いがやっているお店を予約したらしい。

「大学の同期がやってる店なんだ。気楽な店だからドレスコードは気にしなくていいけど、おしゃれしてくれたら俺が嬉しい」

 そんなことを言われたら、がぜん張り切ってしまう。