「はい」
『もしもし蒼羽?』
すまなそうな、ちょっと暗い声。どうやら予感は当たったみたいだ。
「凱斗さん、フライト情報見ました。ダイバートになったんですよね。大丈夫ですか?」
『俺は大丈夫。こっち方面は今日は全部欠航になった。今夜は広島ステイで、明日帰るよ』
「わかりました。帰りも乗務ですか?」
『そうなりそうだ』
「気をつけて帰って来てくださいね」
悪天候でのフライトも、ぎりぎりまで到着空港が決まらない緊迫感も、この仕事をしていれば経験し得ることとはいえ、大変だっただろう。
『誕生日なのに、ごめん蒼羽』
凱斗さんから見えているわけでもないのに、首を振る。
形式上は夫婦とはいえ、ただの同居人のことをこんなに気にかけてくれるなんて、凱斗さんは本当に優しい人だ。
「そんなこと、気にしないでください。今日はもうゆっくり休んでくださいね」
『……ありがとう。それじゃ』
通話は切られ、ラウンジのざわめきが戻ってくる。
せっかく着飾ってきたけれど、ここにいる理由もなくなってしまった。
『もしもし蒼羽?』
すまなそうな、ちょっと暗い声。どうやら予感は当たったみたいだ。
「凱斗さん、フライト情報見ました。ダイバートになったんですよね。大丈夫ですか?」
『俺は大丈夫。こっち方面は今日は全部欠航になった。今夜は広島ステイで、明日帰るよ』
「わかりました。帰りも乗務ですか?」
『そうなりそうだ』
「気をつけて帰って来てくださいね」
悪天候でのフライトも、ぎりぎりまで到着空港が決まらない緊迫感も、この仕事をしていれば経験し得ることとはいえ、大変だっただろう。
『誕生日なのに、ごめん蒼羽』
凱斗さんから見えているわけでもないのに、首を振る。
形式上は夫婦とはいえ、ただの同居人のことをこんなに気にかけてくれるなんて、凱斗さんは本当に優しい人だ。
「そんなこと、気にしないでください。今日はもうゆっくり休んでくださいね」
『……ありがとう。それじゃ』
通話は切られ、ラウンジのざわめきが戻ってくる。
せっかく着飾ってきたけれど、ここにいる理由もなくなってしまった。


