想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 自分なりに頑張ったおしゃれを汗で台無しにしてしまうのが怖くて、家からはタクシーを使った。

 降りた途端、肌にじわっと汗がにじむ。

 せっかくのワンピースに汗染みができてしまわないように、ホテルの入り口へと急いだ。


 凱斗さんと待ち合わせたのは、都心にある外資系ホテル。

 夜が始まったばかりのロビーは、たくさんのお客さんで混雑している。

 家にいても落ち着かないし、渋滞に備えて早めに出て来たのが裏目に出てしまった。

 待ち合わせの19時には、まだ一時間近くある。

 こういう時って、バーで過ごすのが正解なんだろうけれど、そうお酒も強くないし、場慣れしていない私には入るのに勇気がいる。

 さっと辺りを見渡して、目についたラウンジで時間を潰すことにした。


 窓際の席に着いて、アイスティーをオーダーする。

 自分でも気づかないうちに緊張していたみたいだ。

 冷たいアイスティーが喉を滑り降りるとふっと肩の力が抜けて、思わずため息を吐いた。