想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

「凱斗さんのですか。えーっと……」

 やばい、知らない。というか、知ろうともしていなかった。

 焦っていると、冷ややかな視線を向ける凱斗さんと目があった。

「俺の誕生日は11月8日。無理にとは言わないけど、気が向いたら覚えてくれてもいいよ」

 私だけ知らなかったのが気に食わなかったのか、凱斗さんがわざと拗ねたような言い方をしてそっぽを向く。

 あの凱斗さんがこんな表情するなんて! 

 おかしくてくすくす笑っていると、「なに笑ってる」とまたムッとした声を出した。

「ちゃんと覚えましたし、無理もしてません」

 あとで、スマホのカレンダーにも入れておこう。あ、共有のスケジュールアプリにも!

 でも、凱斗さんが11月生まれってことは。

「凱斗さんのお誕生日はもう少し先だから、一緒にお祝いできますね。欲しいもの考えておいてくださいね」

 そう言うと、一瞬目を丸くした後、ふっと笑みをこぼす。

「その前に、蒼羽の誕生日だろ。いいところ予約したから、おしゃれして来て」

「楽しみにしてます」

 誕生日に約束するなんて、こんなの本当の夫婦みたいだ。