想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜



【欲しいもの、考えておいてね】
【了解】

 麻衣からのメッセージにスタンプつきで返信する。

 それとは入れ違いで、またメッセージの通知が来る。

 フライトの合間に送ってきたのだろう。凱斗さんからだった。

【8月25日の夜は空けておいて。一緒に食事に行こう】

 凱斗さんが指定した日付を見て、どきりとする。

 この日が私の誕生日だって知っているんだろうか。


「当たり前だろう。知ってるよ」

 仕事から帰った凱斗さんを、玄関で出迎える。

「なんで返事くれなかったの。都合悪い?」と聞かれて、動揺のあまり返信をするのを忘れていたことに気がついた。

「私、誕生日がいつか教えてませんでしたよね?」

「直接聞いてはいないけど、婚姻届に書いてただろう」

 あの時に確認してたの? 私なんて、緊張で手が震えて自分の欄を埋めるので精いっぱいだったのに……。

「一応聞くけど、蒼羽は俺の誕生日がいつか知ってる?」