「元気だ。蒼羽はもう仕事?」
「これからシアトルなんです。戻りは四日後の金曜日なんで、凱斗さんとは入れ違いですね」
すれ違いの寂しさなんて微塵も感じさせない顔で、蒼羽が言う。
「そうだったな」
頭の中で、昨日見たスケジュール共有アプリの画面を思い出す。
俺は一日国内線乗務をこなした後、二日間オフを取ってパリへのフライトが入っている。
戻りはさらに四日後で、この先一週間は蒼羽に会えない。
せっかく結婚して一緒に住んでいるというのにずっとこんな感じで、この家で二人で時間を共有したことはほとんどない。
もし愛し合って結婚した夫婦なら、お互い仕事で忙しくてもなんとか時間をすり合わせて、一緒に過ごす時間を増やすのだろう。
でも、俺たちはそうじゃない。
俺は煩わしい周囲を黙らせて仕事に集中するため。蒼羽は東京でCAの仕事を続けるため。
互いの目標のため、打算で決めた契約結婚だ。無理してまで一緒に過ごす時間を捻出する必要はない。
たとえ俺の方は、蒼羽を求めているとしても。
「先に出ますね」
「ああ、気をつけて」
バタンと音を立てて、玄関のドアが閉まる。
こちらを振り向くこともなく、蒼羽は出て行った。
彼女の気持ちがまるで俺に向いていないことをさらに実感して、ため息を吐いた。
「これからシアトルなんです。戻りは四日後の金曜日なんで、凱斗さんとは入れ違いですね」
すれ違いの寂しさなんて微塵も感じさせない顔で、蒼羽が言う。
「そうだったな」
頭の中で、昨日見たスケジュール共有アプリの画面を思い出す。
俺は一日国内線乗務をこなした後、二日間オフを取ってパリへのフライトが入っている。
戻りはさらに四日後で、この先一週間は蒼羽に会えない。
せっかく結婚して一緒に住んでいるというのにずっとこんな感じで、この家で二人で時間を共有したことはほとんどない。
もし愛し合って結婚した夫婦なら、お互い仕事で忙しくてもなんとか時間をすり合わせて、一緒に過ごす時間を増やすのだろう。
でも、俺たちはそうじゃない。
俺は煩わしい周囲を黙らせて仕事に集中するため。蒼羽は東京でCAの仕事を続けるため。
互いの目標のため、打算で決めた契約結婚だ。無理してまで一緒に過ごす時間を捻出する必要はない。
たとえ俺の方は、蒼羽を求めているとしても。
「先に出ますね」
「ああ、気をつけて」
バタンと音を立てて、玄関のドアが閉まる。
こちらを振り向くこともなく、蒼羽は出て行った。
彼女の気持ちがまるで俺に向いていないことをさらに実感して、ため息を吐いた。


