想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜

 食器もそれぞれの物があったけれど、二人で食卓を囲む時のために揃えて買ったのだ。

 おかげで料理の見栄えがぐんとよくなった気がする。

 若い男性らしく、よく食べよく飲む凱斗さんを見ていると気持ちがいい。

 つられて私まで、少し飲みすぎてしまった。

「お水飲む?」
「ありがとうございます」

 酔ってしまった私に代わり、食後の片づけは凱斗さんが全てやってくれた。

 リビングのソファーに並んで座る。この部屋で凱斗さんとこんなに長い時間一緒にいるのは、引っ越しして以来初めてだ。

「飲ませすぎたかな」
「楽しくて、私が加減を間違えたんです。凱斗さんのせいじゃありませんよ」

 キッチンでのことと言い、案外凱斗さんは心配性なのかもしれない。

「……俺といて楽しい?」
「はい、一緒にモールを回ったことも、お料理したことも、ごはんを食べたことも全部」

 こんなに一日中歩き回って、喋って、笑って過ごしたのはどれくらいぶりだろう。

 体は疲れているけれど、心は満たされていると感じる。