龍崎先輩との時間ができたのは、すべてが終了してからだった。 すべてが。そう、文化祭の後にあった、三年生の先輩たちの『引退式』まですべてが終わってから。 「では各自着替えて────」との指示が出される中、こっそりと手を引かれた。 「来て」 低く、甘い声。 誰にもバレずに……とは当然いかないけど、誰にも咎められることなく、わたしたちは部室を抜け出した。