【第1部完結】 エモパレ ―感情が見えるぽっちゃりな私が、オジさま副局長を無自覚なまま搦め捕るまで―


◆【ご挨拶とお礼】

 こんにちは。 作者の久乃亜です。

 まず、全36話とそこそこ長い旅路を、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

 ハルネとヴァルグレイ、二人の不器用な初恋の道を一緒に見守ってくださった皆様方、本当に感謝を申し上げます。


◆【作者自身の物語の感想】

▽『ヴァルグレイへの救済』

 執筆中ずっと、ヴァルグレイという男をどう救えばいいんだろう?
 どういうパートナーなら彼を幸せに出来るのだろう?
 ずっと考えていました。

 彼は有能で鬼のような強さも持ち合わせていますが、その本質は感情的で、魔眼の呪いによって深く傷つき、闇の中に居ました。

 そんな彼を根本から救えるのは、一緒に悩み、同じ位置で寄り添う人でなく、

 「お腹空いた! ご飯!」と、彼の事情などお構いもせず、無理やり「生」の側へ引っ張りあげる。
 そんな、ハルネみたいな強引な太陽のような娘しかいなかったのだと思います。

 少しでもパートナー側の「陰」が強く出てしまえば、ヴァルグレイと一緒に悩み、一緒に傷つき、一緒に堕ちていってしまった事でしょう。

 ハルネは劣等感ですぐ落ち込んでしまいますが、回復力(反発力)も高いのです。
 第1章でマチョキモに殺されかけても、ご飯を食べてない事でキレたり、
 第2章序盤でヴァルに冷たくされて落ち込んでも、リゼラちゃんのサンドイッチですぐ回復しています。


「何かあってもご飯で回復!」
 この単純さが、彼女の根源的な強さであり、考えすぎて自滅するヴァルグレイにとっては、絶対的な救命浮き輪になります。
 

 彼が鬱屈して悩む夜があっても、ハルネは「朝ごはん一丁!」と、また無理やりパンケーキでも食べさせるでしょう。

 罪や罰、魔眼の真意など、「思考の世界」に沈みやすいヴァルは、肉体的な睡眠や食事も疎かにしがちです。
 対してハルネは、コンプレックスこそあるものの、食欲、睡眠欲、商売(お金)と、「現実の世界」の根が太い。

 一緒に沈まず、全てを「なんてことない」と軽く受け容れてあげて、強引に包み込み、「陰」の彼を「陽」へと照らす。

 そんな事が出来るのは……
 同じ魔眼を持ち、かつ、身体的にも精神的にもハチャメチャに「生命力」に溢れたハルネ。
 彼女だけが、彼にとって運命の、唯一の女神だったんだと思います。



▽『最後に彼が泣いたワケ』

 久乃亜としても、ヴァルグレイが最後あんなに泣いちゃうとは思っていなくて。

 ヴァルは年も重ねていて、肉体的にも精神的にも強いです。
 モロい芯を抱えてはいますが、感情の抑制能力は高いのです。
 泣くワケがないし、涙を流してしゃくりあげるなんて、とても考えられない。


 でも、泣いちゃった。


 気が付けば彼は泣いていました。
 ううん、ハッキリと「泣いた」って書いたワケではありませんが。
 しかし、嗚咽を漏らしながら震えている彼はどう見ても……

 でもさ、彼の気持ちを考えてみたら、
 ハルネは本当に全部を赦してくれて、
 全部を否定せず受け容れてくれて、
 恐怖してた事実も見透かされ、それすらも受容して慰めてくれて、
 生きる事も、否定した魔眼も、老いた身体さえも何もかもを肯定してくれて、


 もうさ……泣くしかないじゃん?


 あそこでヴァルグレイが泣いてしまうのも、また、決まった運命(さだめ)でした。



▽『たまに漏れるハルネへの情愛』

 読者さまのご想像通り、ヴァルグレイの調査局の評判は、クソ真面目で、厳しく、顔も怖い。
 既婚であれば「あんな人でも奥さんには優しいのか?」という想像が出来るかもしれませんが、彼は独身です。
 畏怖の対象です。

 そんな彼ですが、ハルネに対してだけは「可愛らしい」だの「愛らしい」だの、普段彼が使う事のない形容詞が漏れています。


 めっちゃ可愛くない?
 

 普段、ガチガチに抑制しているような人が、好きな人にだけ感情が無意識に漏れちゃう現象。

 久乃亜は大好きです。



▽『作者がボロボロに泣いたシーン』

 第16話あたり、リゼラちゃんに慰められるシーンですが、

「好きなのかもって思ったけど、ドタイプだって思ったけど、あんなに冷たくされちゃったら、あたし……分かんなくなっちゃった……」

 このセリフは、今でもギュッと胸を掴まれます。
 そうだよね? 分かんなくなっちゃうよね? って。
 その後のハルネの慟哭も、未だに久乃亜自身も、涙が滲みます。

 あとは第27話あたりの嫉妬シーンですが、当然の如くボロボロに泣きながら書いてました。

 もしも、「わかる!」と、同じ気持ちを感じて泣いてしまった方は、
 感想欄でもX(旧Twitter)でも、こっそりでもいいので、教えてくださればあたしが喜びます。



◆【第2部について、予告】

 もちろん第1部のあの抱擁で終わりではなく、まだ彼らの日常は続いています。

 サフラン香房営業停止の件や、ノクセラ草の事件、なんだかまだ隠していそうなヴァルグレイの真意、その辺りが明らかになっていく予定です。

 位置づけとしても、第4章となり、そのまま地続きです。

 第2部のボリュームとしては、第4章、そして第5章で完全完結となる予定です。 

 現在も第2部の執筆を進めていますが、最高の状態でお届けするために、少しだけお時間をいただきたく思います。

 充電期間として、2~3ヶ月ほどお待ちいただくかもしれません。

 途中、いくつかのSSの投下等は行おうかなとは思っています。


◆【感想大歓迎!】

 読んでくれた方の声が聴きたいです。
 
 「とてもよかった」みたいな一言でも嬉しいです。
 「オジさまをもっと出せ!」とかの文句でも良いです。
 
 第1部は久乃亜自身の熱量で書く事が出来ました。

 しかしここからは、読んでくださった皆様からの熱量が、そのまま第2部の熱量に繋がりそうです。

 素直に言います――エネルギーが欲しいです!

 ひとこと感想などで教えてくれても嬉しいです!


◆【最後に】

 ハッキリ言います。

 ぽっちゃりがぽっちゃりのままで終わる作品は非常に少ないです。
 でも久乃亜は、ヒロインたちが痩せずとも、幸せになる道はあるんだと思っているし、願っています。

 「痩せて綺麗になって見返してやる!」
 そういうストーリーも、とっても素敵で、久乃亜も大好きです。

 しかし、「そのままで愛される世界があってもいいじゃん!」とも思っています。


 この物語が、誰かの小さな救いになっていたら、本当に嬉しいです。
 重ねてしまいますが、あなたの感じた事を一言でも教えてくださればと思います。


 それでは、次回の「エモパレ第2部 舞踏会編」で、また会えたらと願います。



 久乃亜でした。