君の世界に入りたい

この辺ずっと住んでたけどそんな大きな夏祭りってなかったような…どこのだろう。

「どこの祭り?この辺はそんな大きいのないよね?」
「2駅先のとこ!花火も上がるみたい」

2駅先、綾人くんの家の最寄り駅だ。

「てか3人で行かね?せっかくなら!」

綾人くんと祭りに行けるチャンス!羽山くんナイスすぎる!!綾人くんは毎年行ってたのかな?毎年お兄ちゃんしてたのかな?

「俺は行かない、2人で楽しみな」

綾人くんの顔が曇っていた。これまで何度も綾人くんの暗い顔とか冷たい顔は見たことがあったけど、これはこの顔は本当に苦しんでいる時の顔だ。あのとき、林間合宿で僕を庇った後も同じ顔をしていた。

「綾人くんが行かないなら僕も行かない」
「えー2人とも行かないのか…」

前に綾人くんのお母さんが綾人くん学校の日以外はほとんど家から出ないって言ってたけど地元に友達とかいないのかな。それとも、いじめっ子に会いたくないから、家から出ないのかな。