君の世界に入りたい

「じゃあとりあえず今日はここまでで解散!明日の1限は自己紹介とかしてもらってその後は全部テストだから筆記用具だけ絶対忘れないでね」

さすが進学校だな。入学式の次の日から早速テスト。

「見上くん、少しそこに立ってくれない?」

カバンを持ち廊下で待つ父さんの元へ向かおうとすると横から渡会に声をかけられ、ベランダに立ってほしいとお願いされた。

「え?ベランダ?」
「見上くん絵になるから、腕組んでそれを柵においてあそこの桜眺めててくれる?」
「カメラ持ってきてなかったんじゃ…」

さっきカメラを持ってくればよかったと言っていたから持っていないものだと思って聞いてみると頬を赤らめ、口を小さく動かし出した。

「見上くんにあんな風に言われちゃったから抑えられなくて、とりあえずスマホで撮ろうかな、と」

しばらく黙って赤らめた渡会の顔を見つめていると今度は慌て出した、かと思ったら今度はすごい勢いで頭を下げた。