君の世界に入りたい

「嘘言わないでいいよ」
「ほんとだよ!綾人くんのお母さんに綾人くんは正義感が強くて優しいけど不器用だからよく勘違いされちゃうことが多いって聞いてたからこういうことだったんだなあって思ったんだ、だから本当に怖くなかったよ!僕を助けてくれてありがとう」

真白の屈託のない笑顔を見ているとダムが決壊したみたいに涙が止まらなくなった。
俺はずっと自分がダメな人間だと思っていた。周りの環境は勝ち組な人間でも、俺という人としては負け組な人間、そう思っていた。けど、そうでもなかったみたいだ。こんな風に笑顔でお礼を言ってくれる人がいるということは俺はダメなばかりではないんだな。

「えっちょ、綾人くん!?」
「…ごめん、嬉しくて」
「なにそれ〜」

真白は泣きじゃくる俺の顔を覗きながら優しく微笑んだ。

「合宿から帰ったら僕の話を聞いてくれる?」
「もちろん」