君の世界に入りたい

「にしてもいきなり〝綺麗だ〟とか言われるから何事かと思ったよ」
「ごめん、綺麗なものに目がなくて」

俺は初めて他人の世界に入ってしまったあの日から綺麗なものに目がない。

俺から綺麗に見えるこの世界は他人からはどう見えるのだろう。

そして他人の世界にいる俺はどんな風に見えているのだろう。

そう考え始めるとたくさんの考えが浮かんできて溢れ出る言葉を、感情を止められなくなる。

「いいね、そういうの。他に趣味とかは?」
「本を読むくらい、渡会は?」

趣味を聞いてくれた渡会に同じ質問をしようと聞き返すと少し寂しそうな笑みを浮かべた。

「僕の話はいいよ、今は見上くんの話が聞きたいから」
「俺は渡会の話聞きたいけど」
「僕の趣味はつまらないものばかりだから」

渡会がさらに寂しそうな、つらそうな顔をした。
過去に趣味を否定されたりしたのだろうか。

「渡会がつまらなくないなら俺には関係のないことだと思うんだけどなあ、俺は読書が好きでつまらなくないから読書を趣味としてたくさんの人に教えてる、けど人それぞれ生きてる世界が違うからもちろんそれを否定してくる人間もいる、でもそんなの気にしてたらせっかくの趣味がつまんなくなっちゃわない?だから俺は自分がつまらなくないなら自慢できる!そういうスタンスで生きてる」